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【飲食・美容室】利益を残す価格設定と創業融資に通る事業計画

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美容室や飲食店を開業する際、周辺相場に合わせた価格設定は危険です。原価や固定費から逆算して確実に利益を残す方法と、創業融資の審査を通過するための事業計画への落とし込み方を専門コンサルが分かりやすく解説します。

 

京都・大阪・滋賀で飲食店・美容室の開業融資をサポートしている、Izanagi consultinG group代表の砂田です。

「京都でカフェを開業したいが、コーヒー1杯はいくらが妥当?」
「カット料金は近くの競合店に合わせるべき?」
など、価格設定に関する相談を多くいただきます。多くの方が周辺の相場を調べて同等の価格に設定しがちですが、実はこれが起業直後に資金繰りで苦しむ最大の原因になります。

今回は、美容室や飲食店の開業において確実に利益を残す「正しい価格設定」の基本と、融資審査を有利に進めるための事業計画書への落とし込み方を、起業コンサルの視点から解説します。

 

周りと同じ価格で起業すると「黒字倒産」の危機に?

なぜ相場に合わせた価格設定が危険なのでしょうか。それは、お店ごとに「固定費(家賃や人件費、借入金の返済など)」が全く異なるからです。

例えば、京都の四条河原町付近で家賃30万円の物件を借りる場合と、郊外で家賃10万円の物件を借りる場合では、毎月の固定費に20万円の差が生まれます。それにもかかわらず、周辺が「ランチ1,000円」だからと右倣えで設定してしまうと、家賃の高い店舗ではいくら満席になっても固定費を賄えず、キャッシュが残りません。

売上は上がっているのに経費や返済が追いつかずに資金ショートする「黒字倒産」を回避するには、競合ではなく「自店の数字」から逆算してメニュー単価を決めることが不可欠です。安易な安売りに流されず、お店が存続するために必要な売上と利益を見極めることが、起業家としての第一歩となります。

■関連記事:【美容室・飲食店】開業1年目の固定費とキャッシュフロー管理術 

 

「原価」と「固定費」から逆算する理想の客単価とは

価格設定の基本は「目標とする利益」から逆算することです。

飲食店の起業では、一般的に「FLコスト(F:食材原価、L:人件費)」を売上の60%以内に抑えるのが健全な経営の目安で、食材原価率は30%〜35%が基準です。一方、美容室の創業では材料費(原価)は売上の8%〜10%程度と低いですが、人件費や家賃、ポータルサイトなどの広告費(固定費)が高くなります。

客単価を算出する計算式は以下の通りです。

「必要客単価=(目標利益+固定費)÷(想定客数×営業日数)」

例えば、毎月の固定費が100万円、目標利益が30万円の場合、必要な総粗利は130万円です。飲食店の原価率が30%(粗利率70%)とすると、必要な月商は約185万円(130万円÷0.7)となります。月に25日営業し、1日あたり40人が来店する場合、必要な客単価は「185万円÷(40人×25日)=1,850円」と導き出せます。

 

【具体例】美容室と飲食店、それぞれの価格設定シミュレーション

京都エリアを想定した、それぞれのビジネスモデルにおける数字の組み立て方は以下の通りです。

項目 飲食店(こだわりカフェ) 美容室(プライベートサロン)
物件エリア 京都市内・観光地周辺 京都市内・中心部周辺
毎月の固定費 80万円 48万円
経営者の目標利益 30万円 40万円(自身の給与含む)
想定原価率(粗利率) 35%(粗利率65%) 10%(粗利率90%)
必要となる月間売上高 約170万円 約98万円
1日あたりの想定客数 50名(営業25日) 4名
(スタイリスト1名・営業25日)
必要客単価 1,360円 9,800円

 

飲食店の場合、コーヒー1杯500円の単品だけでは単価1,360円の達成は困難です。1,500円のランチセットやテイクアウト商品を連動させる「メニュー構成の工夫」が必要です。

美容室の場合も、カット単品(5,000円)ばかりでは成り立たず、カット+カラー(13,000円)などの高単価メニューを主軸にした事業計画を立てる必要があります。

 

コンサル視点:事業計画書に説得力を持たせるメニュー構成

日本政策金融公庫などの創業融資では、客単価の実現可能性が厳しくチェックされます。単に「客単価1,500円」と書くのではなく、計画書に「想定メニュー表」を添付しましょう。

人間の心理として、メニューに「松・竹・梅」の選択肢があると真ん中の「竹」が選ばれやすくなります。この法則を活用して主力商品を「竹」に配置し、平均単価をコントロールする計画を提示します。さらに平日と土日の稼働比率まで細かく連動させることで、事業計画の信頼性が飛躍的に向上し、融資成功率を100%に近づけることができます。

■関連記事:【京都で開業】飲食・美容室の事業計画書の作り方のポイント 

 

まとめ

価格設定は、お店のブランド価値を決め、皆さんの未来を守る経営判断です。安易な安売りをする必要はありません。しっかりとした価値を提供すれば、お客さまは納得して足を運んでくださいます。

京都、大阪、滋賀での起業は数字の組み立てが伴いますが、皆さんは一人ではありません。私たち専門家が、皆さんの想いを正しい数字(事業計画)へ翻訳し、融資獲得から経営まで伴走します。まずは無料相談からお気軽にご活用ください。

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Q&A

Q1:飲食店の原価率は一律30%にするべきですか?

A1:一律にする必要はありません。看板商品の原価率を50%と高くして満足度を上げる一方、利益率の高いドリンク(原価率10〜20%)を組み合わせ、店舗全体で平均30%前後にコントロールするメリハリが効果的です。

 

Q2:開業後に値上げをするのは難しいでしょうか?

A2:一度決めた価格を下げるのは簡単ですが、上げるのはハードルが高いため、開業時は「少し高め」でスタートするのが理想です。値上げの際は、新メニューの追加など付加価値の提供とセットで行うと顧客離れを防げます。

 

Q3:美容室で割引クーポンを出す場合の価格はどう決めるべきですか?

A3:割引後の価格が、算出した「必要客単価」を下回らない設計にします。例えば定価14,000円で2,000円引きクーポン(12,000円)にしても、必要単価が10,000円なら利益は残ります。割引を前提とした定価設定が重要です。

 

Q4:事業計画書の客数は、満席を想定しても良いですか?

A4:満席前提の楽観的な計画は「現実味がない」と融資審査で否決されやすくなります。平日の稼働率を30%〜40%、土日を60%〜70%など、現実的かつ厳しめに見積もっても返済可能な計画を作成することが重要です。

 

執筆者紹介

砂田 桂吾
砂田 桂吾
Izanagi consultinG group 代表
株式会社Izanagi consultinG代表取締役
株式会社runO 代表取締役
一般社団法人美容フリーランス協会 理事
CCS,Ink. 取締役

税理士法人勤務時より融資関連業務に多く携わり、
2015年に美容室と飲食店の開業融資のみを専門に扱う美容室・飲食店創業支援センター設立。
2017年に美容室と飲食店向けコンサルティングサービスを展開する株式会社Izanai consultinG設立、代表取締役に就任。
資金繰り・資金調達・経営計画の策定を得意とする。
延べ200件以上の開業融資支援実績を有し、
開業時の資金調達は融資成功率100%の実績を有する(2022年12月現在)。
関西の美容室・飲食店開業融資支援のパイオニアとして知られる。
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