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【美容室・飲食店】開業時に知っておきたい減価償却の基本

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美容室や飲食店の開業時、シャンプー台や厨房機器など高額な設備投資は「買った年に全額経費」にはなりません。本記事では、手元の資金を守るために必須となる「減価償却」の基本と事業計画への組み込み方を解説します。

 

京都・大阪・滋賀で飲食店・美容室の開業融資をサポートしている、Izanagi consultinG group代表の砂田です。

「開業のために300万円の厨房機器を買ったから、今年の利益はゼロ(=税金もかからない)ですよね?」

初めて起業される方から、このような質問をよくいただきます。結論から言うと、これは大きな勘違いです。以前のコラムで中古設備の経費計算について触れましたが、今回はより根本的な「新品の設備投資と経費のズレ」について解説します。

 関連記事:中古の厨房機器・美容設備、減価償却はどう計算する?

実は、高額な設備は購入した年に一括で経費にすることができません。

今回は、創業時に必ず知っておきたい「減価償却(げんかしょうきゃく)」のルールと、それが資金繰りに与える影響について分かりやすく解説します。

 

高額な設備投資、その年に全額経費にできないって本当?

税務上のルールでは、原則として「10万円以上(青色申告の特例を使えば40万円未満まで一括経費にできる場合あり)」かつ「使用可能期間が1年以上」の資産は、買ったその年に全額を経費にすることはできません。

設備は長年にわたって事業に貢献するものなので、「国が定めた耐用年数(使える期間)に応じて、少しずつ分割して経費にしなさい」というルールになっています。これを「減価償却」と呼びます。

 

やさしく解説!美容室・飲食店の「減価償却」ルール

例えば、美容室で100万円の新品のシャンプー台を購入したとしましょう。

理美容用の機器の「法定耐用年数」は5年と定められています。この場合、買った初年度に100万円全額を経費にするのではなく、毎年20万円ずつ、5年間にわたって経費として計上していくことになります(※計算を分かりやすく単純化しています)。

飲食店の場合も同様で、金属製の厨房機器であれば耐用年数は11年と定められており、長期間にわたって少しずつ経費化されます。

 

※補足:内装工事の場合も同様ですが、壁や床などの「建物付属設備(長寿命)」と、照明やエアコンなどの「器具備品(短寿命)」によって耐用年数が大きく異なります。そのため、業者からの見積書の項目を正しく区分して経理処理することが、初期の経費を増やし節税するうえで非常に重要になります。

 

キャッシュ(現金)と経費の「ズレ」が黒字倒産を生む

ここで最も注意すべきなのが、「お金が出ていくタイミング」と「経費になるタイミング」のズレです。

先ほどのシャンプー台の例では、初年度に100万円の「現金」が一気に出て行っているのにもかかわらず、その年の「経費」になるのはたったの20万円です。残りの80万円分は経費にならないため、帳簿上は利益が大きく見えてしまいます。利益が大きく見えるということは、その分「税金」が高くなるということです。

「現金は減っているのに、税金は高くつく」というこの現象を理解しておかないと、資金繰りが一気に悪化し、最悪の場合は黒字倒産に陥りかねません。

 

※補足:さらに、借入金の「元本返済」も、現金が出ていくが経費にならない性質を持ちます。つまり、「減価償却による経費化の遅れ」と「借入金の返済」のダブルパンチによって、税金と手元資金のバランスは非常に崩れやすくなるのが創業期の恐ろしい現実です。

 

税務の落とし穴を防ぐ!開業時からコンサルを味方につける重要性

特に京都などの人気エリアで開業する場合、内装工事費(これも減価償却の対象です)などの初期投資が膨らみがちです。だからこそ、創業時の事業計画の段階で「何年にわたって、いくら経費になるのか」を正確にシミュレーションしておくことが重要です。

 関連記事:【京都で開業】飲食・美容室の事業計画書の作り方

 

専門的な税務のルールをすべて一人で把握するのは大変です。開業コンサルタントや税理士などの専門家を味方につけ、設備投資と資金繰りのバランスをしっかりと計画することをおすすめします。

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正しい知識を持っていれば、税金や資金繰りの不安は解消できます。万全の準備を整えて、素晴らしいお店を創り上げましょう!

 

【よくあるご質問(Q&A)】

Q1. 40万円未満のパソコンや備品も減価償却が必要ですか?

A1. 令和8年度(2026年)の税制改正により、「少額減価償却資産の特例」が拡充されました。青色申告をしている中小企業や個人事業主であれば、年間合計300万円までなら、1つ「40万円未満」の備品を買った年に全額経費にすることができます。これまでは30万円未満でしたが枠が拡大されたため、初期の設備投資においてより有利に活用できるようになっています。

 

Q2. 内装工事費は何年で減価償却するのですか?

A2. 内装工事(造作)の耐用年数は、建物の構造や用途、賃貸契約の内容などによって複雑に変わりますが、美容室や飲食店の場合は概ね10年〜15年程度で償却するケースが多いです。専門家への確認が必須です。

 

Q3. お金が手元にないのですが、設備投資はどうすればいいですか?

A3. 初期費用を抑えるために、日本政策金融公庫などの創業融資を活用するほか、初期投資が少ない「居抜き物件」を選んだり、設備の「リース契約」を検討したりするのも有効な事業計画の一つです。

 関連記事:居抜き物件の設備、会計処理はどうする?

 

Q4. 減価償却が終わった設備はどうなりますか?

A4. 帳簿上は備忘価格として「1円」だけ価値を残し、そのまま使い続けることができます。経費にはならなくなりますが、実際の事業には引き続き貢献してくれます。

 


 

 Izanagi consultinG groupでは、京都・大阪・滋賀を中心にこれから開業される美容室や飲食店の支援をしております。開業に不安がある、説得力のある事業計画書を作りたい、資金繰りの相談に乗って欲しいという方はお気軽にご相談ください。

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執筆者紹介

砂田 桂吾
砂田 桂吾
Izanagi consultinG group 代表
株式会社Izanagi consultinG代表取締役
株式会社runO 代表取締役
一般社団法人美容フリーランス協会 理事
CCS,Ink. 取締役

税理士法人勤務時より融資関連業務に多く携わり、
2015年に美容室と飲食店の開業融資のみを専門に扱う美容室・飲食店創業支援センター設立。
2017年に美容室と飲食店向けコンサルティングサービスを展開する株式会社Izanai consultinG設立、代表取締役に就任。
資金繰り・資金調達・経営計画の策定を得意とする。
延べ200件以上の開業融資支援実績を有し、
開業時の資金調達は融資成功率100%の実績を有する(2022年12月現在)。
関西の美容室・飲食店開業融資支援のパイオニアとして知られる。
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