飲食業界は、どうしてもそのイメージから「大変そう」「長時間労働なんでしょう?」といった声がよく聞かれます。経営者にとっては、スタッフの確保は重要な経営課題となり得るので、一度採用したなら、なるべく長く働いて欲しいというのが本音でしょう。
そこで今回は、飲食店においてどんな働き方があるのか、また、それぞれの立場において、どういった配慮をすべきかについて解説します。
1.正社員
従業員を正社員として雇用する場合、雇用契約書を交わし、社会保険に加入します。雇用する側(経営者)は、安定して働いてくれる人材を確保することができますが、その分、雇用に対する責任を負うことになります。
働く側は、安定的な給与が期限なしで保証されることや、責任ある立場へのステップアップ、スキル面の上昇といったメリットがあります。
定着率を上げるためには、労働時間の適正化が大切
正社員に長く働いてもらうためには、「長時間勤務」そして「不規則なシフト」への配慮が重要になります。飲食店はシフトで運営されていることがほとんどですが、アルバイト・パート人員の急な欠勤による穴埋めは正社員が負担するケースが多いように思われます。
正社員の労働時間に無理が生じないよう、余裕を持たせた人員配置や、適切なシフト管理が重要です。
キャリアプランも明確に
飲食店の正社員の中には、独立志向がある人も少なくありません。また、キッチン業務に就いている人であれば、調理スキルを高めたいといった希望もあるでしょう。
従業員のこうしたキャリアに関する希望について、ある程度の道筋を示しておくことも、定着率を維持する重要な手立てになります。
2.アルバイト・パート
アルバイト・パートは時給で働く雇用形態です。働く側にとっては、時間に自由が効くことがポイントで、学生や主婦(夫)、副業として働く人など、スタッフの背景もさまざまです。
経営者としては、時間帯によって人員を増減できるので、人件費を最適に抑えることができるのがメリットです。ただし、仕事に関わる時間が少ないことで、お店に対する帰属意識が薄くなってしまうケースがあるのがデメリットとなるでしょう。また、勤務時間が一定を超えたアルバイト・パートについては、社会保険への加入も必要になります。
コミュニケーションは密に取るよう意識する
アルバイトやパートは、どうしても人数が増えてしまう傾向にあります。
そのため、経営者もしくは経営陣と1対1でコミュニケーションをとる機会が少なく、スタッフ側の要望を正確に把握することが難しくなります。現在困っていることはないか、業務や人間関係において不満や提言などがないか、定期的に確認しておくことは、定着率向上につながります。
無理なシフトは組まない、労働環境に配慮する
こちらは正社員と同様ですが、長時間労働や連日出勤など、無理のあるスケジュールを組むのは避けましょう。
まとめ
今回は、飲食店における雇用形態の種類と、それぞれの立場に対して注意するポイントを紹介しました。
スタッフが定着し、それぞれが活躍できる組織を作るために配慮するのも、経営者の仕事の一つです。正社員であっても、アルバイトやパートであっても、適切な労働時間の管理と、コミュニケーションはとても重要です。経営側とスタッフ側、お互いに良い関係を築いていくためにも、ぜひ意識して取り組みましょう。
美容室・飲食店創業支援センターでは、京都・大阪・滋賀を中心にこれから開業される美容室や飲食店の支援をしております。開業に不安がある、相談に乗って欲しいという方はお気軽にご相談ください。
執筆者紹介
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美容室・飲食店創業支援センター 代表
株式会社Izanagi consultinG代表取締役
株式会社runO 代表取締役
セミナーBOOK株式会社 取締役
CCS,Ink. 取締役
税理士法人勤務時より融資関連業務に多く携わり、
2015年に美容室と飲食店の開業融資のみを専門に扱う美容室・飲食店創業支援センター設立。
2017年に美容室と飲食店向けコンサルティングサービスを展開する株式会社Izanai consultinG設立、代表取締役に就任。
資金繰り・資金調達・経営計画の策定を得意とする。
延べ200件以上の開業融資支援実績を有し、
開業時の資金調達は融資成功率100%の実績を有する(2022年12月現在)。
関西の美容室・飲食店開業融資支援のパイオニアとして知られる。
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