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中古の厨房機器・美容設備、減価償却はどう計算する?

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開業コストを少しでも抑えるために、中古の厨房機器や美容設備を選ぶ経営者は多いもの。ですが、購入後の経費処理について「新品と同じように計上すれば大丈夫!」と思っていたのなら、要注意です。

 

中古資産には、税法上の特別ルールがあり、それに適応できていないと会計上の誤りと判断されてしまいます。そこで今回は、飲食店や美容室のオーナーにぜひ知っておいてほしい「中古資産の減価償却」について、やさしく解説します。

そもそも「減価償却」とは?

前回のコラムでも説明しましたが、減価償却とは、高額な設備や機器を購入したとき、購入年に全額を経費にせず、使える年数に分けて少しずつ経費計上していく仕組みのことです。

 

たとえば、業務用の冷蔵庫を100万円で購入し、法定耐用年数が5年なら、毎年20万円ずつ経費に計上するイメージ。資産は時間とともに価値が減っていく、というのが考え方の根本にあります。 

中古資産は「耐用年数」の計算が違う

新品の設備に使う「法定耐用年数」は、あくまで新品を前提に定められた年数です。中古資産はすでに前の所有者が使っているため、取得時点での残りの使用可能期間をもとに耐用年数を計算し直す必要があります。

 

実務でよく使われるのが「簡便法」と呼ばれる計算方法です。 

簡便法の計算式:2パターンを覚えよう

① 法定耐用年数をすでに超えている場合

法定耐用年数 × 20%

例:法定耐用年数10年の設備が12年使用済みの場合 → 10年 × 20% = 2年(最低耐用年数が2年なのでここが下限)

 

② 法定耐用年数の一部だけ経過している場合

(法定耐用年数 − 経過年数)+(経過年数 × 20%)

 

例:法定耐用年数10年の設備を5年使用済みで購入した場合 →(10 − 5)+(5 × 0.2)= 5 + 1 = 6年

 

つまり、この設備は「残り6年かけて経費化する」と計算します。なお、計算結果に1年未満の端数が出た場合は切り捨て、最低でも2年が下限と決められています。

中古資産を選ぶ節税メリット

耐用年数が短くなるほど、1年あたりの償却額が大きくなります。早く経費化できる、つまり利益を早い段階で圧縮できるのが中古資産の大きなメリットです。

 

例えば100万円の設備なら——

  • 新品で10年償却:年間10万円の経費
  • 中古で5年償却:年間20万円の経費

 

開業直後は売上が安定しない時期でもあります。その時期に大きな経費を計上できれば、税負担を抑えやすくなるというわけです。

見落としやすい注意点

節税効果の高い中古資産ですが、いくつか気をつけたい点もあります。

使用履歴が不明だと計算できない


簡便法は「製造年月日」や「前オーナーの使用年数」などの客観的な証拠が必要です。登録日などその資産がいつ作られたか客観的な情報がない場合には、法定耐用年数で償却するしかありません。

中古であっても、年式資料や契約書を確認し、しっかり保管しておきましょう。

大規模な修理・改良をした場合は注意


中古資産を事業の用に供するために支出した資本的支出の金額が、「その中古資産の再取得価額の50%を超える」場合には、法定耐用年数によることになります。つまり、大掛かりなリノベーションをした場合は簡便法が使えなくなるため、注意が必要です。

耐用年数の選択はその年に確定させる


実務では、ほとんどが簡便法を採用していますが、一度「法定耐用年数」を選んでしまうと、後から簡便法に変更することはできません。取得した事業年度に正しく判断することが重要です。

まとめ 中古資産は「証拠の保管」と「正しい計算」がすべて

中古の設備や機器は、初期コストを抑えることができる創業期の強い味方です。ただし、耐用年数の計算を誤ったり、証拠資料を保管していなかったりすると、税務調査でのリスクになるので注意しましょう。

  • 中古資産は「簡便法」で耐用年数を計算し直す
  • 法定耐用年数を超過しているかどうかで計算式が変わる
  • 最低耐用年数は2年、端数は切り捨て
  • 取得価額の50%超を修繕・改良に使うと簡便法は使えない
  • 年式・購入契約書などの証拠書類は必ず保管する

計算に不安があれば、開業前後に専門家に相談するのがおすすめです。正しい処理が、長期的な経営の安定にもつながります。

Izanagi consultinG groupでは、京都・大阪・滋賀を中心にこれから開業される美容室や飲食店の支援をしております。開業に不安がある、相談に乗って欲しいという方はお気軽にご相談ください。

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執筆者紹介

砂田 桂吾
砂田 桂吾
Izanagi consultinG group 代表
株式会社Izanagi consultinG代表取締役
株式会社runO 代表取締役
一般社団法人美容フリーランス協会 理事
CCS,Ink. 取締役

税理士法人勤務時より融資関連業務に多く携わり、
2015年に美容室と飲食店の開業融資のみを専門に扱う美容室・飲食店創業支援センター設立。
2017年に美容室と飲食店向けコンサルティングサービスを展開する株式会社Izanai consultinG設立、代表取締役に就任。
資金繰り・資金調達・経営計画の策定を得意とする。
延べ200件以上の開業融資支援実績を有し、
開業時の資金調達は融資成功率100%の実績を有する(2022年12月現在)。
関西の美容室・飲食店開業融資支援のパイオニアとして知られる。
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