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飲食店経営で固定費となる支出と、売上との理想的なバランスとは?

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飲食店を運営する際には、さまざまな固定費が発生します。継続的に利益を出すためにも、固定費を把握して適切に管理することはとても大切です。飲食店では、経常利益10%以上を目標にするのが理想的だと言われていますが、変動費よりも固定費を節約する方が、楽にゴールに近づくことができます。

 

そこで今回は、飲食店経営で固定費となる支出について、また、売上に対しての理想的なバランスについても解説します。

1. 家賃・賃貸料

飲食店を経営するにあたって、最も比重を占めるのが、店舗にかかる「家賃・賃貸料」です。ご存知の通り、立地条件によって家賃は大きく変わりますが、「売上の10%以下」に収めるのが理想的だと言われています。

 

駅前や人気のエリアなど、良い立地に出店すれば集客力は上がりますが、その分支出は増えます。長期的に経営していくためにも、客単価や回転率を計算した上で、無理のない場所に店舗を構えるようにしましょう。

2.水道・光熱費

電気、ガス、水道などの光熱費も、飲食店にとって欠かせない固定費です。毎月使用料が変わるので、変動費として扱うこともありますが、必要不可欠な経費かつ毎月かかってくるものとして、ここでは固定費としておきましょう。

 

飲食店では、水道光熱費を売上の5%以下に留めている店舗が多いようです。

 

特に、厨房機器を利用する頻度が高い業態では、光熱費が高額になってくることがありますが、5%を超えている場合は注意したほうが良いでしょう。そのため、設備投資の段階で、エネルギー効率の良い機器を選ぶ・中古であってもあまり古い物は選ばないようにする、無駄な使用は避ける、などの対策をして、光熱費を減らす工夫をしましょう。

3. 人件費

従業員の給料、保険料、福利厚生費用なども重要な固定費です。人数に応じて変わるので、変動費とも考えられますが、水道光熱費と同じく、必要不可欠な物なので固定費として扱っておきます。

 

人件費の目安は、売上の20%〜30%だと言われています。特に正社員を多く雇用している場合、人件費は大きくなるので、ピークタイムの時間に合わせて、アルバイト・パート従業員を増員するなど、効率的な人員配置を目指しましょう。

 

なお、社員や従業員の給与を無理に引き下げるのは、当然ながら経営の悪化に直結するので注意しましょう。

4. 保険料

火災保険や賠償責任保険など、事業を守るための保険料も固定費です。保険はそもそも、発生する可能性は低いけれど、万が一発生した場合、損害が大きくなる出来事に備えるものです。なので、あれもこれもと考えすぎて、不要な保険に加入しているケースも散見されるのですが、固定費を抑えたい場合のであれば、基本的な補償を選んで加入することが大切です。

5. 減価償却費・リース代

飲食店を出店する前に、厨房機器を購入したのであれば、その初期費用は経理上、減価償却費として計上します。この場合は直接的に毎月の売上を圧迫しているわけではありません。ただし、設備をリースしているのであれば、毎月リース代の支払いが生じるので直接的な固定費となります。

 

減価償却費やリース代は、金融機関から借り入れている融資の利息・元金支払い分と合算して、売上の10%以内であることが目安とされています。

6.通信費など

店舗で使用している固定電話や携帯電話、BGMで流している音楽の使用料なども、毎月の固定費として考えられます。売上に対して大きな割合を占めるものではありませんが、使っていないサブスクなどは積極的に解約していきましょう。

まとめ

ここまで、飲食店でかかる固定費について解説しました。それぞれの固定費についての目安をまとめてみます。

 

・家賃:売上の10%以内
・水道光熱費:売上の5%
・人件費:売上の20%〜30%
・減価償却、リース代(+返済元金、利息):売上の10%以内

 

こうして見ると、約50%近くが固定費で占められていることがわかりますね。変動費を見直すのは毎月のことなので簡単ですが、一度節約できるとその効果が長く続くのが固定費です。

 

ぜひ一度、固定費についても見直す機会を設けてみてください。

 

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執筆者紹介

砂田 桂吾
砂田 桂吾

美容室・飲食店創業支援センター 代表
株式会社Izanagi consultinG代表取締役
株式会社runO 代表取締役
セミナーBOOK株式会社 取締役
CCS,Ink. 取締役

税理士法人勤務時より融資関連業務に多く携わり、
2015年に美容室と飲食店の開業融資のみを専門に扱う美容室・飲食店創業支援センター設立。
2017年に美容室と飲食店向けコンサルティングサービスを展開する株式会社Izanai consultinG設立、代表取締役に就任。
資金繰り・資金調達・経営計画の策定を得意とする。
延べ200件以上の開業融資支援実績を有し、
開業時の資金調達は融資成功率100%の実績を有する(2022年12月現在)。
関西の美容室・飲食店開業融資支援のパイオニアとして知られる。
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