創業融資を受けるにあたって、きちんと準備を済ませておけばより好条件な融資を受けることも可能です。同じ条件の会社でも、交渉次第によっては融資自体がNGとなることもありますので、金融機関がどんなことを考え、何をすればより受け入れてもらいやすいかを知っておくことは非常に重要です。

今回は、銀行や金融機関とスムーズに交渉を進め、資金を調達するために知っておくべき8つのポイントを解説します。

1.事業計画を明確にする

わかりやすく具体的な事業計画書を作成しておくことは、最も重要かつ基本的な部分です。

金融機関は、お金を貸す際に、そのビジネスが成功する可能性を重視しています。市場の状況や競合相手の分析、そして収支予測（売上や経費の見込み）などを詳しく説明することで、銀行からの信用を得やすくなります。

2.借りるお金の使い道を明確にする

借りたお金を何に使うかを、具体的に説明できることも重要です。ただの「運転資金」ではなく、事業拡大や新しいプロジェクトのためにどう活用するのかを明確に伝えましょう。将来のビジネス成長にどうつながるかを説明することで、銀行側も納得しやすくなります。

3.無理のない返済計画を立てる

どのように借りたお金を返済していくか、無理のない返済計画を作成しましょう。売上の予測と返済プランがしっかりと一致していることが大事です。現実的な返済スケジュールを提示することも重要で、早めに返済したいからといって運転資金ギリギリになるような返済計画は避けましょう。

4. 自己資金をできるだけ用意する

自分自身でも事業にリスクを負っていることを示すために、できるだけ多くの自己資金を準備しましょう。自己資金がゼロでも融資を受けることは不可能ではないのですが、やはり「前々から計画して自己資金を貯めてきた人物」として信用してもらうためにも、自己資金は大切です。自己資金が多いほど、銀行にとっても安心材料となり、融資を受けやすくなります。

5.複数の金融機関と交渉する

一つの金融機関だけでなく、日本政策金融公庫などの公的な金融機関、地方銀行や信用金庫の民間銀行など、複数の金融機関と交渉しましょう。ひとつだけに決めてしまうのも手ではありますが、いろいろな選択肢を検討することで、最適な融資条件を見つけやすいのは事実です。

6.経営者としての実力をアピールする

金融機関は事業の成功可能性だけでなく、経営者としての経験やスキルも重視します。申込書類には「略歴・動機」を記載する枠があるので、過去の経営経験や専門知識をしっかりとアピールし、事業を運営する実力があると認めてもらえるようにしましょう。

また、融資審査には必ず審査員との面談があります。ここでは「経営者の人となり」を判断しているので、説得力のある話ができるように事前に準備して臨みましょう。

7. 滞納しているものがないようにする

確定申告や、税金支払い、光熱費の支払いなどに滞納がある場合、融資の可能性は激減します。審査では必ず、通帳のコピーや信用情報（クレジットカードの支払い状況など）を確認しますから、これらを滞納しているようでは、「返済能力に難あり」と判断されてしまいます。

特に信用情報は、過去3年〜5年間分の情報が残っていますから、すぐにどうにかすることはできませんが、この点を見られるということで前々から準備しておきましょう。

借金や支払い遅延の履歴が分かる！【信用情報】のチェック方法

8. 専門家のサポートを得る

税理士や中小企業診断士、創業サポート会社などの専門家に相談しながら、事業計画や財務計画を作成することも大切です。自分だけでは見過ごしていた重要な項目や、書類内容に不備がないかのチェック、交渉前の準備の後押しをしてくれます。

まとめ

創業時における資金調達を成功させるには、これまでの経営実績がない分、金融機関との信頼関係がより一層大切になってきます。事業計画の具体化や資金の使い道を明確にし、無理のない返済計画を立てましょう。また、複数の金融機関と交渉することも、より良い融資条件を引き出すのに効果的です。

専門家と相談しながらしっかりと準備を整え、事業の成功に向けた第一歩を踏み出しましょう。

美容室・飲食店創業支援センターでは、京都・大阪・滋賀を中心にこれから開業される美容室や飲食店の支援をしております。開業に不安がある、相談に乗って欲しいという方はお気軽にご相談ください。

執筆者紹介

砂田 桂吾

美容室・飲食店創業支援センター 代表
株式会社Izanagi consultinG代表取締役
株式会社runO 代表取締役
セミナーBOOK株式会社 取締役
CCS,Ink. 取締役

税理士法人勤務時より融資関連業務に多く携わり、
2015年に美容室と飲食店の開業融資のみを専門に扱う美容室・飲食店創業支援センター設立。
2017年に美容室と飲食店向けコンサルティングサービスを展開する株式会社Izanai consultinG設立、代表取締役に就任。
資金繰り・資金調達・経営計画の策定を得意とする。
延べ200件以上の開業融資支援実績を有し、
開業時の資金調達は融資成功率100％の実績を有する(2022年12月現在)。
関西の美容室・飲食店開業融資支援のパイオニアとして知られる。

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