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個人事業主と法人、どちらの方がいい?それぞれのメリット・デメリットを解説

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美容室や飲食店を創業する際、多くの起業家が直面するのが
「個人事業主として始めるべきか、それとも法人として設立するべきか」という選択です。

 

どちらにもメリットとデメリットがありますが、
自分に合った形を選ぶためにも、詳しく知っておきましょう。

個人事業主としてのメリット

まずは、個人事業主として創業するメリットについて解説します。

1.設立手続きが簡単で、初期費用が抑えられる

個人事業主での創業は、法人よりも設立手続きが簡単です。

開業してから1カ月以内に、
「個人事業の開業届出・廃業届出書」を管轄の税務署に提出するだけで完了します。

設立時にかかる費用もほとんどありません。

飲食店開業時に必要な「 役所関連届出・手続き」について解説

2.会計が簡単

法人に比べて、帳簿の取り扱いや、税金の計算がシンプルなので
日々の経理業務の負担が軽減されます。

3.一定の所得までは、個人事業主の方が税額が低い

個人事業主の売上には「所得税」が課せられます。
所得税は、所得金額が高くなるほど税率が上がりますが、
おおむね330万円までは、法人が支払う「法人税」の税率よりも低くなっています。

売上や所得の規模が小さい場合は、個人事業主である方が節税になるでしょう。

個人事業主としてのデメリット

一方で、個人事業主で創業することのデメリットもあります。

1.社会的信用が法人に比べて低い

個人事業主のデメリットとして一般的によく言われるのが、社会的信用の低さです。

ただし、飲食店や美容室の事業を行う上では、
大きな問題はないのではないでしょうか。

2.経費にできる範囲が狭い

個人事業主は、売上から経費を差し引いた分が「事業所得」となるので、
「給与」という概念がありません。

法人の場合には、給与や賞与、退職金も経費として計上できるので、
法人に比べて経費にできる範囲が狭いと言えます。

3.利益が増えると所得税の税率が上がる

先ほどのメリットの中でも挙げましたが、
個人事業主は、所得に対して所得税を支払う義務があります。
利益が増えて所得が増えると、最大40%の所得税を支払わなくてはいけません。

一方、法人税の最大税率は23.2%なので、
所得が上がってきたら法人にした方が節税メリットが大きくなります。

4.「無限責任」である

個人事業主は「無限責任」といって、事業に失敗した場合
すべての負債を返済する必要があります。

個人の資産もすべて返済に充てる必要があるので、
大きな負債を抱えた場合には、個人としての資産はゼロかマイナスになります。

法人としてのメリット

では次に、法人として創業することのメリットについて紹介します。

1.責任が限定される

個人事業主の場合、すべての責任は個人事業主が負担します。

一方、株式会社や有限会社などの法人は、
起業家の責任が法人の資産に限定されるため、
有事の際でも個人の資産は守られます。

2.社会的信用が得られやすい

法人の規模や業績によって、
信用が得られやすいといったメリットはあります。
取引先を拡大する場合には特に有利になるでしょう。

3.経費にできる範囲が広い

事業にかかる費用のほか、自分の給与や退職金なども
経費として計上することができます。
個人事業主の場合は、これらの費用は経費として認められません。

法人としてのデメリット

法人として創業する場合は、個人事業主の時よりも
手間がかかる手続きが多いのが特徴です。

1.設立手続きが複雑、設立費用がかかる

法人を設立する場合、各種登記書類の提出、
会社印の準備など、煩雑な手続きが必要になります。

また、資本金の用意と、設立費用として
株式会社であれば25万円程度がかかります。

2.赤字になっても税金の支払いがある

個人事業主であれば、赤字の場合は所得が0円となり、所得税は発生しません。
ところが法人の場合、赤字であっても法人住民税が発生し、税金を支払います。

3.経理・人事管理が煩雑

法人になれば、個人事業主の際には発生しない
決算という作業が増えます。決算は、確定申告よりも煩雑です。

まとめ

一般的には、所得税の問題から
「利益が500万円を超えると法人化した方がいい」と言われることが多いです。

 

設立時の初期費用をなるべく抑えたい、
経理業務をなるべく簡単にしたい、
現段階では小規模にビジネスを行いたい、という人は
個人事業主を選ぶ傾向が高いように思います。

 

一方、初めから大幅な利益(500万円以上)が想定される場合や、
社会保険に加入すべき従業員がいる場合は、
法人を選ぶ方が多いです。

 

また、個人事業主として事業を始めたけれども、
資金調達の必要性や売上規模の拡大によって、
途中から法人化する方もいらっしゃいます。

 

自分にとってどの形態が最も効率的なのか、
現在の状況を洗い出した上で、適切に選んでいきましょう。

 

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執筆者紹介

砂田 桂吾
砂田 桂吾

美容室・飲食店創業支援センター 代表
株式会社Izanagi consultinG代表取締役
株式会社runO 代表取締役
セミナーBOOK株式会社 取締役
CCS,Ink. 取締役

税理士法人勤務時より融資関連業務に多く携わり、
2015年に美容室と飲食店の開業融資のみを専門に扱う美容室・飲食店創業支援センター設立。
2017年に美容室と飲食店向けコンサルティングサービスを展開する株式会社Izanai consultinG設立、代表取締役に就任。
資金繰り・資金調達・経営計画の策定を得意とする。
延べ200件以上の開業融資支援実績を有し、
開業時の資金調達は融資成功率100%の実績を有する(2022年12月現在)。
関西の美容室・飲食店開業融資支援のパイオニアとして知られる。
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