美容室を開業するには、物件取得費・内装工事・シャンプー台などの高額な設備投資に目が行きがちですが、それ以外にも予想外に費用がかかってしまうものです。
そらを知らずに、開業後に「こんな費用も必要だったの!?」と焦るオーナーも少なくありません。
そこで今回は、美容室を開業する際に見落としやすい“盲点の出費”について、解説していきます。
開業前の「広告宣伝・販促費」

内装や設備に多くの資金を割いたものの、「オープンしてもお客様が来ない…」という事態に陥ってしまっては、身も蓋もありません。
店舗ビジネスにおける集客の要は立地とも言えますが、例えば、路面店ではなくビルの2階や3階に出店した場合は、やはり路面店の出店よりも多めに広告宣伝費を見積もっておくべきでしょう。
さらに競合の多いエリアとなると、「チラシ配布」「オープンキャンペーン」「SNS広告」などを組み合わせて認知度を上げていく必要があります。
- ・チラシ印刷・配布:5〜10万円
- ・ホームページ制作:10〜30万円
- ・SNS広告(Instagramなど):月1〜3万円
- ・看板やウィンドウサインのデザイン制作:3〜5万円
開業してみて、思った以上に集客がうまくいかなかった場合、これに加えて追加で費用がかかってきますので、余裕をもって運転費用のなかに確保しておきましょう。
開業前後の「人件費・研修費・制服代」
意外と見落とされがちなのが、オープン準備期間中の人件費です。
スタッフを採用したあと、すぐに本番に入れるわけではありません。お店のルール・接客・メニュー技術などの研修期間を設ける必要があり、ここにも給与が発生します。
さらに、以下のような初期コストも要注意です。
- ・制服・エプロン代(制服がある場合)
- ・名札やツール類(ブラシ、ハサミ入れなど)
- ・プレオープン時のシフト代(本番前の接客練習など)
スタイリストだけでなく、アシスタントや受付スタッフも含めて研修を行う場合、オープン前1〜2週間で数万円の人件費がかかるケースもあります。
保健所・消防・設備点検などの法令対応コスト

美容室の開業には、保健所からの営業許可が必要ですが、それだけでは終わりません。消防署の立入検査や、電気・水道・ガスに関する法的基準の対応が必要になる場合があります。
たとえば、以下のような項目が想定されます。
- ・保健所の営業許可申請手数料(自治体によって異なるが1〜2万円程度)
- ・消防法に基づく避難経路表示や消火器の設置
- ・防火管理者講習の受講(費用と時間の確保が必要)
- ・給湯設備や配管に関する追加工事
- ・各種点検(換気・漏電・給水系)に対する初期費用または契約料
こうした「法律上やらなければならないこと」は、工事が始まってから発覚することも少なくありません。事前に行政窓口や経験者に確認しておくことで、急な追加出費を避けることができます。
まとめ

美容室開業の費用といえば、「内装」「椅子」「シャンプー台」といった目に見える部分に目がいきがちです。しかし、実際に経営を始めるには、それ以外にも多くのコストがかかります。
今回紹介したような、
- 1,広告・プロモーション費用
- 2,開業前後の人件費・備品費
- 3,法令対応・申請・点検関連の出費
これらは見落としがちな“盲点の出費となりますので、あらかじめ資金計画に組み込んでおくことで、安心してお店をスタートさせることができるでしょう。「必要最低限の出費だけで開業する」のではなく、必要な準備にかけるべき金額を見極めることが、安定的な経営を実現する第一歩になります。
執筆者紹介

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美容室・飲食店創業支援センター 代表
株式会社Izanagi consultinG代表取締役
株式会社runO 代表取締役
一般社団法人美容フリーランス協会 理事
CCS,Ink. 取締役
税理士法人勤務時より融資関連業務に多く携わり、
2015年に美容室と飲食店の開業融資のみを専門に扱う美容室・飲食店創業支援センター設立。
2017年に美容室と飲食店向けコンサルティングサービスを展開する株式会社Izanai consultinG設立、代表取締役に就任。
資金繰り・資金調達・経営計画の策定を得意とする。
延べ200件以上の開業融資支援実績を有し、
開業時の資金調達は融資成功率100%の実績を有する(2022年12月現在)。
関西の美容室・飲食店開業融資支援のパイオニアとして知られる。
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