トレンドの移り変わりが激しい飲食店業界。流行を追いかけすぎるのは問題ですが、トレンドに沿ったメニューを取り入れることで、新たな顧客との接点も増えていきます。
ということで今回は、今年のトレンドのなかでも割と取り入れやすい「レトロブーム」について、実際の店舗の事例と、取り入れ方について考えていきましょう。
「レトロブーム」が飲食店でもトレンドに
2024年、音楽業界ではシティポップをはじめとした昭和の音楽が、リバイバルヒットしています。飲食業界も同じく「レトロブーム」が大きなトレンドとなっていて、昭和風の食事やインテリアデザイン、サービススタイルが、若い世代の人気を集めています。
このレトロブームは、昭和世代にとってはあの頃の懐かしさを思い出させてくれますし、20代・10代の若い世代にとっては新鮮な体験をもたらしているようです。古き良き喫茶店のようなインテリアや、ソーダフロートなどのメニューは多くのSNSでシェアされ、昔からある純喫茶が流行り出したのはもちろん、純喫茶をモチーフとした新規出店も目立ってきました。
ポイントは小物と内装による、写真映え
トレンドの「レトロ感」を取り入れる際のポイントは、昭和の情緒あふれる雰囲気をどれぐらい演出できるか、という点。雰囲気を演出するには、メニューだけでなく小物や内装にも昭和のデザインを取り入れ、年上世代にとってはノスタルジックで、若い世代へはつい写真に撮りたいと思わせることができれば成功です。
阿佐ヶ谷の老舗喫茶店「gion」
昭和レトロブームによって一躍知名度が高まったのが、昭和55年創業の阿佐ヶ谷にある喫茶店「gion（ギオン）」です。
ネオンサインが輝く店舗入口、薄暗い店内にガラス細工のライト、重厚感のあるテーブルや椅子。店内全体が昭和の喫茶店そのままとなっており、ブランコが椅子になっている席があるなど、若い世代にとって新鮮だと言います。SNSでの投稿数も多く、昔からあるがゆえの”本物感”が人気です。
食事やドリンクのメニューも昭和そのもので、一番人気がカラフルなクリームソーダ。ハムの乗ったナポリタンも人気があります。
撮影に特化した新店舗「旬゛喫茶パンエス」
ラフォーレ原宿の付近にオープンした「旬゛喫茶パンエス（じゅんきっさ・ぱんえす）」は、SNS向けの撮影に特化した新形態のレトロ喫茶です。カラフルでコンパクトな外観で、街中を歩いていても目立っているのですぐに見つけることができます。
席ごとにコンセプトが異なる内装をしており、店内でさまざまなイメージの写真を撮ることができるようになっています。プリン・ア・ラモードや、コーヒーフロートといった昭和風のメニューに加え、銀食器も使われていて、食事と内装を通して昭和の空気を感じることができます。
新規出店時から、SNSで投稿されやすい店舗かどうかを意識して作られており、1つの店舗内でさまざまな雰囲気の写真を撮ることができるようになっています。
まとめ
いくらブームだからといって、店舗のコンセプトを一から変えるのは難しいことです。ただ、トレンドを取り入れることで、リピーターへの新しい体験の提供や、新規顧客との接点を作ることは可能です。
メニューや食器を変えるのが大変だという場合は、店内の音楽を1日だけ昭和歌謡曲にする、といったイベントの開催も検討できます。トレンドは移り変わりが早く、追うのは大変かもしれませんが、一つのビジネスチャンスと捉えて挑戦してみるのもいいかと思います。
美容室・飲食店創業支援センターでは、京都・大阪・滋賀を中心にこれから開業される美容室や飲食店の支援をしております。開業に不安がある、相談に乗って欲しいという方はお気軽にご相談ください。
執筆者紹介
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美容室・飲食店創業支援センター 代表
株式会社Izanagi consultinG代表取締役
株式会社runO 代表取締役
セミナーBOOK株式会社 取締役
CCS,Ink. 取締役
税理士法人勤務時より融資関連業務に多く携わり、
2015年に美容室と飲食店の開業融資のみを専門に扱う美容室・飲食店創業支援センター設立。
2017年に美容室と飲食店向けコンサルティングサービスを展開する株式会社Izanai consultinG設立、代表取締役に就任。
資金繰り・資金調達・経営計画の策定を得意とする。
延べ200件以上の開業融資支援実績を有し、
開業時の資金調達は融資成功率100％の実績を有する(2022年12月現在)。
関西の美容室・飲食店開業融資支援のパイオニアとして知られる。
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