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居抜き物件の設備、会計処理はどうする?

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前回のコラムでは、居抜き物件のメリット・デメリットについて解説しました。

 

ただ、居抜き物件は初期費用を抑えられる魅力的な選択肢ですが、譲り受けた設備の会計処理を間違えると、確定申告で困ったり、融資を受ける際に不利になったりする可能性があります。

 

そこで今回は、創業融資の申請にも役立つ、居抜き設備の正しい会計処理について解説していきます。

居抜き設備は「固定資産」として計上する

譲り受けた設備も立派な資産

居抜き物件で譲り受けた厨房機器、空調設備、内装、什器備品などは、原則として「固定資産」に該当します。前のお店が使っていた中古品であっても、あなたのお店で使用する資産であることに変わりはないからです。

 

固定資産とは 使用期間が1年以上で、一定金額以上(一般的には10万円以上)の資産のこと。飲食店であれば、厨房機器や空調設備、テーブルや椅子も10万円以上だと考えられるものは固定資産です。

 

美容室であれば、シャンプー台やミラー、セット椅子などが該当するでしょう。

譲渡代金の内訳を明確にする

まずは「何にいくら払ったか」を確認する

居抜き物件を譲り受ける際、前オーナーに支払う「造作譲渡料」の内訳を明確にすることが重要です。

例えば、造作譲渡料200万円を支払った場合は、次のように振り分けられます。

 

  • ・厨房機器:80万円
  • ・空調設備:50万円
  • ・内装工事:60万円
  • ・テーブル・椅子:10万円

 

「一式」などとせず、設備ごとに金額を分けて契約書に記載してもらいましょう。内訳が不明確だと、後の会計処理や減価償却の計算が難しくなります。

契約書・領収書は必ず保管

造作譲渡契約書や領収書は、税務調査や融資申請の際に必要になります。以下の書類は必ず保管しましょう。

 

  • ・造作譲渡契約書(設備の内訳が記載されたもの)
  • ・領収書
  • ・設備のリスト(型番、数量など)

 

創業融資を申請する際、これらの書類があると「何にいくら投資したか」が明確になり、審査がスムーズに進むとされています。

減価償却で経費計上していく

減価償却とは?

固定資産は購入した年に全額を経費にするのではなく、使用期間に応じて毎年少しずつ経費計上します。これを「減価償却」といいます。

 

例えば、80万円の厨房機器を購入した場合、初年度に全額を経費にすると、その年だけ利益が大きく減ります。しかし、その機器は何年も使い続けるので、使用期間に応じて経費化する方が実態に合っているという考え方です。

10万円未満の少額資産は一括で経費にできる

取得価額が10万円未満の資産は、固定資産として計上せず、購入した年に全額を経費(消耗品費など)として計上できます。

 

例:9万円のレジスターを購入 → 全額をその年の経費に

少額減価償却資産の特例(中小企業限定)

青色申告をしている中小企業者(資本金1億円以下など一定の要件を満たす法人、または個人事業主)は、30万円未満の資産を年間合計300万円まで、購入した年に全額経費計上できる特例があります。

 

例:25万円のシャンプー台を購入 → 全額をその年の経費に(要件を満たせば)

 

この特例は創業時の節税に非常に有効ですが、適用には一定の要件があるため、税理士や会計士に相談することをお勧めします。

まとめ

居抜き物件で譲り受けた設備は、きちんと固定資産として計上し、減価償却を通じて経費化していくことが基本です。

押さえるべきポイント

  1. ・造作譲渡料の内訳を明確にする
  2. ・契約書・領収書を保管する
  3. ・中古資産の耐用年数を正しく計算する
  4. ・10万円未満、30万円未満の特例を活用する
  5. ・創業融資の審査では設備投資の明細が重要

 

飲食店や美容室の創業を考えている方、創業直後で会計処理に不安がある方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。正しい会計処理は、確定申告をスムーズにするだけでなく、融資を受ける際の信頼性向上にもつながります。

 

また、日本政策金融公庫の創業融資などを申請する際、設備投資の内容は審査の重要なポイントです。例えば、造作譲渡契約書で内訳を示すことで、「具体的に何を準備して開業するのか」が明確になり、審査がスムーズに進みます。

 

居抜き物件を選択する可能性がある方は、ぜひ、会計上の処理も忘れずに対応しましょう。

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執筆者紹介

砂田 桂吾
砂田 桂吾
美容室・飲食店創業支援センター 代表
株式会社Izanagi consultinG代表取締役
株式会社runO 代表取締役
一般社団法人美容フリーランス協会 理事
CCS,Ink. 取締役

税理士法人勤務時より融資関連業務に多く携わり、
2015年に美容室と飲食店の開業融資のみを専門に扱う美容室・飲食店創業支援センター設立。
2017年に美容室と飲食店向けコンサルティングサービスを展開する株式会社Izanai consultinG設立、代表取締役に就任。
資金繰り・資金調達・経営計画の策定を得意とする。
延べ200件以上の開業融資支援実績を有し、
開業時の資金調達は融資成功率100%の実績を有する(2022年12月現在)。
関西の美容室・飲食店開業融資支援のパイオニアとして知られる。
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