美容室や飲食店の開業を目指す方にとって、創業資金の調達は最初の大きなハードルです。中小企業や個人事業主が融資を受けようとする時、特に創業前で実績がない場合はなおさら、社会的信用力が乏しいために融資審査が通りにくくなるというデメリットがあります。
ですが、「信用保証協会付き融資」を選ぶことで、そのデメリットが一部解消でき、融資が受けやすくなるのです。
そこで今回は、「信用保証協会付き融資」の仕組みや、その特徴、一般的な融資との違いについて解説します。
信用保証協会付き融資とは?
「信用保証協会付き融資」とは、中小企業や個人事業主が銀行などの金融機関から融資を受ける際に、信用保証協会が「保証人」となってくれる融資制度のことです。

画像:全国信用保証協会連合会
借り手に万が一返済ができない事態が起きた場合には、保証協会が代わりに返済するという仕組みで、その結果、融資側のリスクが軽減されるので融資審査が通りやすくなります。保証協会に肩代わりしてもらった返済金は、後日、借り手側から保証協会に返済を行います。
賃貸住宅の契約では「保証協会との契約を必須」としている大家も増えてきました。借主側が家賃の支払いが遅れたり、支払えない状況になった時には、保証協会から大家へ家賃が振り込まれます。信用保証協会付き融資もこの契約と同じようなもの。信用力に不安がある創業者や実績の少ない事業者が融資をスムーズに得るためには、こうした保証協会付き融資を選ぶことも一つの選択肢です。
信用保証協会付き融資の特徴
・審査が緩和される
信用保証協会が保証人となるため、金融機関の審査が比較的緩やかになります。
ただし、信用保証協会を利用するのに必要な審査もあるので、「信用保証協会の審査」「金融機関の審査」と2度の審査が行われることになります。
・無担保、無保証人での融資が可能
信用保証協会が保証人の代わりとなるため、保証人不要で借入ができる場合が多いです。
・経営支援の紹介
加入している信用保証協会を通じて、専門家に経営相談ができることがあります。
・保証料を支払う必要がある
信用保証協会を利用するには、その利用料、手数料として「保証料」の支払いが必要です。
保証料の支払いは、原則として融資実行時の一括払いです。
・融資限度額に上限がある
信用保証協会付き融資では、借りられる金額に上限が定められています。
無担保であれば最大8000万円、有担保であれば最大2.8億円です。
まとめ
信用保証協会付き融資の利用は、各種金融機関の窓口から申し込むことができます。金融機関に融資の相談に行ったら信用保証協会付き融資をすすめられ、そのままその金融機関で申し込む人もいます。
融資額の上限は定められていますが、飲食店や美容室などの店舗ビジネスであれば、限度額以上に借りなければならないことも少ないでしょうから、大きな問題はありません。
なお、信用保証協会は都道府県や各種自治体ごとに存在しているので、各自治体の制度融資ページや全国信用保証協会連合会のサイトを確認し、必要に応じて商工会議所や金融機関に相談してみましょう。
執筆者紹介

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美容室・飲食店創業支援センター 代表
株式会社Izanagi consultinG代表取締役
株式会社runO 代表取締役
一般社団法人美容フリーランス協会 理事
CCS,Ink. 取締役
税理士法人勤務時より融資関連業務に多く携わり、
2015年に美容室と飲食店の開業融資のみを専門に扱う美容室・飲食店創業支援センター設立。
2017年に美容室と飲食店向けコンサルティングサービスを展開する株式会社Izanai consultinG設立、代表取締役に就任。
資金繰り・資金調達・経営計画の策定を得意とする。
延べ200件以上の開業融資支援実績を有し、
開業時の資金調達は融資成功率100%の実績を有する(2022年12月現在)。
関西の美容室・飲食店開業融資支援のパイオニアとして知られる。
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